宅建士の副業

今回は宅建士の副業について挙げてみたいと思います。

主に不動産関係の仕事に就いている人であれば所持している人も多い宅建資格。以前は宅地建物

取引主任者の名称で馴染みのある資格でしたが、平成26年度には宅地建物取引士に名称変更と

なりました。これにより宅建資格もいよいよ士業の仲間入りとなり、トラブルも多い不動産業務において

今後増々不動産関係の専門的な知識が必要とされる事を表しているとも言えそうです。またそんな宅建士

の資格を副業として活用している人もいます。

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宅建士の仕事内容は?

宅建士の主な仕事内容は契約締結前に行う重要事項説明とその重要事項説明書への記名と捺印・

契約書への記名・捺印となっています。これは宅建士にとっての独占業務となっており、これは

名称変更された今でももちろん変わりはありません。取引を行う顧客の前で重要事項説明書や

契約書などを読み合せ不明点を確認しながら取引の説明をしていく業務です。また不動産業者に

とっても主に5名以上の従業員を抱える事務所では宅建士が1人以上必要となっています。

やはり不動産には権利関係や制限内容など専門的な知識が必要となる事も多く、また貸主や借主

・買主や売主も不動産の知識がない顧客も多いため、宅建士のような専門者が間に入る事により

未然にトラブルの防止や円滑な取引を促進する働きをしています。宅建士が副業としても活用

できるのはやはり不動産業者自体が宅建士の人数をある程度確保しておきたいと考える所がある

からです。特に大手など取引が多く行われる業者であれば取引士の数が足りなければ重要事項

説明などが行えず業務に支障が出る可能性もありますし、万一退職などが続いて宅建士の数が

規定数を下回った場合には最悪の場合には業務停止処分等が下る可能性もあります。

また宅建士の仕事が重要事項説明や記名・捺印の仕事だけかと言えばそうではなく大抵は

他の業務をこなしながら並行して重説などを行う事が一般的です。宅建士であってもカウンター

営業も行いますし内見案内も行います。また時には物件写真撮影やWEBへの物件登録等を行う

こともあるでしょう。重説の時間は30分~1時間程度が一般的ですから他の業務を行っている

時間の方が多くなる事もしばしばあります。

また1つの店舗でじっくりと従事している宅建士もいれば、FC店などのチェーン展開

している不動産業者であれば支店間を日々移動して重説をしている宅建士もいます。

特に契約業務などは顧客の休日が多い土日に入る事も多く本業を抱えている人でも

週末副業として適しています。またスポット的に1~3月の繁忙期などは不動産業者が

派遣などを募集しているケースも多く、短期的に稼ぐといった事も可能でしょう。

宅建士になるには

宅建士になるにはまず宅地建物取引士試験に合格をする必要があります。試験は毎年10月頃に

行われ受験料は7000円程度、合格発表は12月頃に行われます。今でも宅建士試験は難易度

が上がっており2016年度の合格率でも16.4%と10%台の低めの合格率となっています。

ただし試験に合格するだけでは宅建士を名乗る事はできず実務経験が2年以上ある人や実務

講習を受けた人が「登録」をする事により、その後宅建士取引士証の交付を受ける事によって

初めて宅建士として業務を行うことが出来ます。

また取引士証を無事交付されたとしてもそれだけで仕事に就けるとは限らず、どの不動産業者

も大抵は過去の経験を重視したり、宅建士資格だけでなく車の免許も持っていなければ採用が

難しい場合など、ある程度のハードルがある事が一般的です。それでも宅建士資格があれば

有利である事は間違いありませんし例えば副業的に土日のみ等、ある程度勤務日数を限定する

事で採用してくれる不動産業者も多くあるので徐々に経験を積んでいく事も大切です。

取引士証を受け取るまでの簡単な流れとしては宅建試験に合格→(実務経験がなければ)登録

実務講習の受講→登録申請→登録完了→取引士証の交付申請→交付という流れになります。

またどこかの不動産業者で勤め始める際にはその会社の取引士として登録をしなければ

なりませんので、割と時間がかかります。不動産屋への就業を希望している人は早めに

動き出した方が良いかもしれませんね。

 

私も昔に若い頃に不動産会社で面接をした事があります。これは宅建を取得した後の話。

そこは千葉県内の中堅の不動産屋。面接をしてくれたのは50代くらいのその会社の

社長さんでした。

その社長さんの風貌はヴィトンのハンドバックにロン毛茶髪のパーマ+がたいのいい体型。

どう見てもサラリーマンには見えない風貌に私は少し後ずさりしていました。

その時私は試験には合格していましたが登録手続きはまだしていなかったので、

その面接で「試験には合格していますが登録はまだしていませんので、主任者の実務を

するには1~2ヵ月かかるかと思います」と言いました。すると社長さんは「登録なんか

しないでそのまま実務やっちゃえば?」と半分ニヤリ笑。私は苦笑していましたが、

「それはさすがにマズイだろ…」と内心思いました。もちろんその後にきちんと登録を

受けて仕事を始めた事は言うまでもありません。

 

登録を受けずに取引士としての実務をするのは論外ですが、とは言え不動産屋としても

その従業員が実務も行えない・運転もペーパー・未経験で知識無しともなれば、

その間の使い方にも困ってしまうケースがあります。まして大手企業で行われるような

社員研修は小さな不動産屋では行われません。実務をこなしながらその都度教えを受けたり

先輩のやり方を見ながら真似ていくケースが殆どです。また不動産業では資格がなくても

出来る仕事や作業は沢山ありますので、出来れば少しずつ経験を積んでいきたいものですね。

今でも時々仕事がら、不動産関連の人と会う事はありますが、やはり不動産会社の社長さん

は、中には変わった人も多いという印象です。気前の良い人や義理に厚い方もいますが、

特に小さな不動産屋で勤める場合には、どんな感じの社長さんかあらかじめ知っておいた

方が良いのかもしれません。

宅建士の給料は?

アルバイトとして副業的に宅建士資格を活用するのであれば給料は時給制となっている事が多く

また資格手当が付く事も多くあります。店舗によって異なりますが時給は1200~1500円程度

となっている事が多く、例えば毎週土日のみ8時間勤務したとすれば月に8~9万円程度稼げるので

副業としても十分に成立します。また正社員や派遣などでフルタイムで勤務する場合には契約金額等に

よって歩合給が付く店舗もあるのでどのような給料体系になっているか事前に確認が必要です。

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宅建士のつらい所は?

宅建士のつらい所はやはり不動産業界の特殊な雰囲気があります。今では少なくなりましたが中には

少し強面の方や体育会系の人間なども多く存在するので、その職場に馴染めずに辞めてしまうという

人も多くいます。また店舗面積もさほど広くはない店舗が多いので、その職場内の人間関係が上手く

いかなければ息苦しさを感じてしまう人もいるでしょう。

また宅建士の資格を取得したとしてもいきなり実務でその実力を発揮するのは中々難しいものです。

いくら今まで参考書を元に勉強をしてきたとしても重説の説明の仕方や説明の流れまでは勉強では

学べない部分もありますし、顧客から質問される内容も多種多様です。いくら知識を埋め込んだと

してもそれだけではカバーできない部分も多く、こればかりは経験を多く積んで対応力を磨いていくしか

ありません。

特に不動産業界で言えば元付(物件の管理側)と客付(仲介側)がありますが、例えば元付側で

契約書や重説を作成したとして、それを顧客の前で自分が説明をするにしても、忙しく時間がない時は

元付けから送られてきた書面の内容を5分程度しか目を通さずにそのまま説明を行うハメになる事も

あるので誤案内を起こしてしまう可能性もあります。また自分が見た事もない物件の説明を行う事も

多いので、実際に内見をしてきた顧客との話が噛み合わないという事象も起こり得ます。また事前に

重説等を作成してくれていたとしても、実際の重説時に顧客の指摘から契約書の誤表記が発覚する事も

あります。例えば住所表記が違っていたり部屋番号が誤っている・顧客が営業マンと取り決めていた

賃料と金額が異なっていたりと現場では様々な問題が起こり、その場で管理会社側に連絡をして

話を詰めたり、訂正して契約書を作り直すといった事もあります。また古くから営業されている

老舗の不動産屋では書式が古くなっていたりシステムについていけないアナログ的な高齢の

経営者もおり、交渉に苦労する事もあるかもしれません。

 

宅建士というのは店舗の中でも重要な役割を担います。例えばリレーに置き換えてみれば

宅建士は最後のバトンを受け取るアンカーのようなもの。営業マンが何度か内見を重ね

やっとの思いで契約に漕ぎつけた案件を宅建士が締めくくります。宅建士のスキル次第が

あまりに低いと契約段階で話が保留となってしまう事さえあり得、話がポシャれば営業マン

の歩合もパーです。是が非でも契約を成立させなければならないプレッシャーを負っています。

また最近ではネット等の影響からか顧客もある程度は知識武装して契約に臨んでくる事も多くなり

ました。その意味では専門的で突っ込んだ内容や少しマニアックな質問を受ける事もありますし、

顧客によっては時には契約に直接的にはあまり関係のないような知識のひけらかしに近い質問をして

くるような事もあります。特に彼女の前で契約に臨む彼氏とかですね(苦笑)。ですがお客様にも

色々な方がいますし、どのような質問であっても真摯に丁寧に根気強く説明をしていく事が求められます。

 

また宅建士とは言ってもアルバイトで入社をしたとしても経験を積んでいく事で徐々に営業をまか

される事もあるでしょう。不動産業は営業数字が全てと言っても良いほど数字に厳しい業界でも

あります。いくら宅建士資格を所持していたとしてもそれだけで永遠に自分の席を確保しておける程、

甘くはない業界です。宅建事務などの職種もありますが実際には事務仕事だけで終わる事は少なく、

周囲の状況に応じて積極的に柔軟に動ける人間が重宝される傾向がありますので、知識面だけでなく

ある程度のガッツも必要な仕事と考えておいた方が良いでしょう。特に宅建士は営業担当が頑張って

やっと契約にこぎつけた案件を最後に取り仕切る責任の重い役割でもある為、顧客に不明点をクリアに

してもらって気持ちよく契約して頂く為にもしっかりとした説明が求められます。今後は重説のIT化等、

宅建士にもスキルアップが求められる時代に入ってくる為、今まで以上に経験・勉強が必要になって

くるでしょう。

重説オンライン化で宅建士の仕事は?

2017年10月からオンライン重説が本格運用に移ったようです。以前から話題になって

いましたが、時代の流れからすれば少し遅いくらいなのかもしれませんね。店頭にて説明する

事が当たり前となっていた重説(重要事項説明書)も今後はオンライン上での説明が徐々に

主流になっていくのでしょうか。

便利になっていくように見えるオンライン化。ですが宅建士からすれば全てが手放しに喜べる

とは思えません。

前述したように重説の時間は30分~1時間程度です。重説の目的は顧客に不明な点などを

クリアにして頂いて、納得してもらった上で契約に臨んでもらう事が主な趣旨になります。

ですから顧客から質問などがあれば宅建士は真摯に回答しなければなりません。当然にいくら

知識豊富な宅建士であっても全ての質問に答えられるとは限りませんので、即座に回答でき

ない場合には「確認後に回答させて頂きます」として、明確な回答を得てから回答をする事

がベターです。

ですが実際のところ現場においてはそうでないケースもあります。もちろん殆どの宅建士は

きちんと仕事をしていますが、中にはそうでない宅建士もいます。無知な顧客を良いことに

重説を吹っ飛ばそうとする悪質な人も過去にいたくらいですから、ほんのごく少数ではあり

ますが残念ながらいい加減な担当者もいるのです。かなり悪く言えば、後々に言った言わない

で誤魔化されてしまう可能性があるのが今までの重説でした。

ですが今後はテレビ電話やスマートフォンといったような通信機器を使用する事で、

オンライン上での重説が可能になります。オンライン上での重説となれば当然に店舗に出向く

必要はなく、また音声や動画をそのまま録画・保存できるメリットもあるので、今までの

ような言った言わないのトラブルは回避できる可能性が高まります。

逆に宅建士からすれば、いい加減な説明はできないという事にもなります(もちろん今まで

もきちんと説明をされていた宅建士がほとんどかと思いますが)。

また重説書類そのものに関しても、オンライン化により「事前送付」とされており、

契約前に顧客が重説に目を通す機会ができるという事もオンライン重説の利点と言えます。

今までの重説では不動産屋に到着するやいなや、いきなり重説書類を渡されて数分で目を

通して、さぁいきなり契約…なんて流れが多かったので、事前に書類に目を通すことが

できれば顧客側としても不明な点を自分なりに整理できるようになるかと思います。

逆にこの点に関しても宅建士からすれば、事前に書類に目を通される事により、顧客から

結構突っ込んだ質問がなされる可能性があるという事は言えるのかもしれませんね。。

今後の宅建士には今まで以上に専門性を兼ね揃えた知識や対応が求められると言えるの

ではないでしょうか。時給1200円程度じゃ割に合わないかも….?(苦笑)今や飲食店

やコンビニでさえこれくらいの時給出してますしね…。

契約事はきちんと対面で行いたいというニーズがまだまだある事や、テレビ電話やskype上で

知らない人と話すのは抵抗があるという人もいると思うので、IT重説が広く普及するのは

ある程度時間がかかるかと思います。また恐らく最初のうちは実験的に「賃貸」のみの感じ

かと思いますが将来的に「売買」も重説オンラインとなれば担当者はかなり大変な気がします。

売買でオンライン重説を使用する顧客は少数かと思いますが、それこそ売買では契約時の説明

誤り等で深刻なケースによっては訴訟等で賠償金が数百万~数千万に上る可能性もあるで

しょうから、契約時の説明が一字一句、映像記録取られていたらかなりプレッシャーかと

思います。法律的な事は全く分かりませんが、オンライン重説でトラブル増や訴訟の山に

なったりしないのかな。。。

ですが今まで難しかった遠方の顧客が契約に臨みやすくなる事や、都合の良い時間で重説が

できる事・移動費の節約などを考えてもオンライン化に利点は多いかと思います。

また何より体質が遅れていると指摘される事も多い不動産業界にオンラインの風が入る事は、

今後の業界体質の改善にも繋がっていくのではないでしょうか。

 

不動産業に興味がある人・宅建士の資格を昔に取得していて活用する事もなく放置している人は挑戦

してみるのも良いかもしれませんね。今回は宅建士の副業について挙げてみました。

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